神戸元町「海の本屋」アーカイブ

「海の本屋アーカイブ」について

神戸・元町にあった海文堂書店の書店スタッフによって数々の「書店誌」が作られてきました。
特に1975年から2000年まで店長を務めた小林良宣さんは図書目録から同人誌、社内連絡のペラものまであらゆる種類の冊子を作っていました。
その後2000年代に福岡宏泰店長によって「Cahier」「ほんまに」となって受け継がれていきます。
2015年に発行された元海文堂書店員・平野義昌さんによる「海の本屋のはなし」(苦楽堂)の執筆のために改めてこれらの編集物を見る機会に恵まれ、多くの書店員や本好きの方たちに読んでいただければと思い、今回のアーカイブ制作に至りました。
このアーカイブは〈100年誌刊行会〉へのみなさんの寄付によって制作することができました。
この場を借りて改めてお礼申し上げます。


小林良宣氏コメント

神戸・元町の海文堂書店は2013年9月、多くの方に惜しまれながら九十九年の歴史を閉じました。
このアーカイブにある私の仕事は1970年代から80年代にかけてのアナログの時代のものです。
神戸にあった書店の一つの記録として読んでいただければ嬉しく思います。
私が海文堂書店において作成・発行したものには『兵庫の同人誌』『神戸読書手帳』『神戸図書ガイド』『神戸ブックショップ・スポットガイド』があり、いわゆる書店誌・紙としては「週刊神戸読書アラカルテ」「月刊神戸読書アラカルテ」「月刊ブルーアンカー」等があります。
さらには、社内の従業員向けに作った情報紙に「キャビン」「スタッフミーティング」があります。
お客様に読んでいただくために作成した刊行物では『神戸図書ガイド』が千部を超えていますが、多くは何百部程度、フリーペーパーである書店誌・紙にいたっては100部から300部程度の少部数でした。従業員向けの情報紙は20部ぐらいです。
目に触れることも少なかったわけですが、ここにアーカイブとしてご覧いただけるようになったのは望外の幸せというものです。
作成にご協力いただいた皆さんに心から感謝を申し上げます。
私は1976年に26歳で海文堂書店に入社し、その翌年に『兵庫の同人誌』、さらに二年後に『神戸読書手帳』を作成し、さらに3年後には「週刊神戸読書アラカルテ」を開始しています。
ほとんどの仕事は20代後半から30代前半に集中しています。
忙しい毎日でしたが、ガリ版を切ったり、原稿を書いたり、原稿依頼をしたり、さらには編集や印刷をしたりと、多忙ではありましたが充実した日々を過ごしました。
それぞれの書店誌・紙は長く続きませんでしたが、書店の仕事を「本を通して人と人をつなぐ仕事」と考えていた私にとって、これらの刊行 物や書店誌・紙もまた、読者であるお客様に喜んでもらいたいとの一心で作ってきたものです。
今はなき海文堂書店で過ごした日々が、語り合ったお客様のひとりひとりの顔がよみがえってくる気がします。
このアーカイブは海文堂書店 へのオマージュでもあります。

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